7月1日からの週は、ドル売りが優勢でした。米ISM非製造業景気指数が予想外に50を下回るなど、一連の米経済指標が弱含んだことが影響し、米債利回りの低下とともにドル相場が圧迫されました。市場では9月の利下げ観測が高まりました。また、英国やフランスなどの政治情勢の安定が期待され、ユーロドルやポンドドルが上昇しドル安に寄与しました。英国では労働党が地滑り的勝利を収め、14年ぶりの政権交代が実現しました。フランスでは7日に実施される国民議会の決選投票で、与党と左派連合が極右勢力の過半数獲得を阻止する見通しです。
ドル指数は低下し、10日と21日移動平均線を下回っています。円相場は円安が進行したあと、調整に押されています。ドル円は162円手前の水準まで買われ、37年半ぶりの高値水準を更新しましたが、その後は調整売りに押されて160円台に戻りました。スイスフランは消費者物価指数の下振れを受けて下落し、ドルと並ぶ弱い通貨となっています。円もそれらに次ぐ弱い動きでした。一方、ユーロやポンドが堅調で、豪ドルやカナダドルも続きました。週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びとなりましたが、前回値が大幅に下方修正され、失業率の悪化もあり、一方向の動きにはなりませんでした。
1日の為替市場
東京市場では、欧州通貨高・円安の動きが見られました。ユーロは対ドル、対円ともに堅調で、ドル円は161円台を回復しました。ユーロドルは1.07台前半から後半へ、ユーロ円は172円台前半から173円台前半へと上昇しました。ポンド円も204円台に乗せました。
ロンドン市場では、ユーロが高水準で推移しました。ユーロドルは1.07台後半、ユーロ円は173円台半ばまで高値を伸ばしました。ポンドドルは1.26台後半から1.27台に上昇し、ポンド円も204円台に乗せました。ドル円は161円を挟む水準での揉み合いが続きました。
NY市場では、ドル円が161.75付近まで上昇しました。市場はもう一段上値を試しており、オプション市場での権利行使価格はさらにドル高・円安方向にスライドしています。ユーロドルは1.07台後半から前半へと伸び悩みました。
2日の為替市場
東京市場では、円売りが優勢でした。ドル円は161円台後半で推移し、1986年12月以来約37年半ぶりの高値をつけました。ユーロ円は173.50台まで上昇しました。ユーロドルは1.07台前半で落ち着いた値動きを見せました。NZドルは軟調でした。
ロンドン市場では、ユーロが軟調でした。ユーロドルは1.07台前半で上値が重く、ユーロ円は173円台後半から前半へと下押されました。ポンドは対ユーロで買われ、ポンドドルは1.26台後半から1.27台に上昇しました。ドル円は161円台後半に高止まりしました。
NY市場では、ドル円が161円台で堅調に推移しました。パウエルFRB議長がECB主催のフォーラムで物価のディスインフレ傾向について述べたことで一時ドル売りが強まりましたが、売り一巡後は買い戻されました。ユーロドルは1.07台で様子見ムードが広がりました。
3日の為替市場
東京市場では、円安が進行しました。ドル円は161.86付近に高値を更新し、1986年12月以来のドル高・円安圏となりました。豪ドル円は1990年以来の108円台に上昇しました。ユーロ円は173.83付近、ポンド円は205.26付近まで買われました。
ロンドン市場では、円安・ドル安の動きが見られました。ドル円は161.95付近に高値を更新し、162円台をうかがう動きとなりました。ユーロやポンドが堅調に推移し、ユーロドルは1.07台後半、ポンドドルは1.27台に乗せました。ユーロ円は174円台前半、ポンド円は205円台後半まで上昇しました。
NY市場では、ドル売りが先行しました。米経済指標が弱含み、利下げ期待が高まりました。ドル円は一時160円台に下落しましたが、下げ一巡後は押し目買いが入り反発しました。ユーロドルは一時1.08台を回復しました。
4日の為替市場
東京市場では、ドル円が軟調でした。米ISM非製造業景気指数の急低下や米新規失業保険申請件数の増加傾向がドルを圧迫しました。ドル円は161.14付近まで軟化しましたが、調整安は限定的でした。ユーロ円は173.95付近、ポンド円は205.51付近まで軟化しました。
ロンドン市場では、ドル安と円高の動きが優勢でした。米経済指標が弱含んだことを受けて、ドル売りが進みました。ドル円は161円台割れ、ユーロドルは1.08台に乗せました。ポンドドルは1.27台後半に上昇しました。
NY市場は米独立記念日のため休場となりました。
5日の為替市場
東京市場では、ドル円が調整に押されました。6月の米雇用統計の発表を控え、ドル円は160.54付近まで軟化しました。ユーロ円は173.72付近、ポンド円は204.99付近、豪ドル円は108.13付近まで軟化しました。ユーロドルは1.08台前半で堅調に推移しました。
ロンドン市場では、ドル売りが継続しました。米10年債利回りが低下し、米雇用統計が利下げ観測を後押しする内容となることが期待されました。ドル円は160円台後半で推移しました。ポンド相場は対ドルで1.27台後半、対円で205円台前半から半ばへと上昇しました。
NY市場では、米雇用統計が非農業部門雇用者数＋20.6万人と予想を上回りましたが、前回値が大幅下方修正され、失業率も悪化しました。この結果、相場は不安定な動きとなり、一方向の動きにはなりませんでした。ドル円は160円35銭から161円30銭台まで上昇し、その後160円台に戻りました。ユーロドルは1.08台前半で推移し、ポンドドルは1.2817と6月12日以来の高値を記録しました。
