パウエル議長の議会証言が待たれる、それまでは材料難【2024年7月9日】

本日の注目イベントは、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で行う半期に一度の金融政策報告に関する議会証言です。日本時間午後11時からの開催が予定されていますが、通常はその数時間前に事前テキストが報じられることが多く、ある程度の概要は事前に知ることができるでしょう。米大統領選を控えた半期証言のため、議員からの質問には有権者目線や政治的意図が含まれる可能性もあります。

パウエル議長の過去の発言と今後の展望

先週金曜日、パウエル議長はECBのフォーラムに出席し、「物価はディスインフレ傾向再開を示すようになった」と述べましたが、「インフレが2%まで下がることを確信したい。最近のようなデータをもっと見たい」と利下げに慎重な姿勢を示していました。今週11日には最新の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定であり、その結果が注目されます。

経済指標と発言イベント

パウエル議長の議会証言までは様子見の姿勢が続きそうです。本日発表される経済指標は、メキシコ消費者物価指数(6月)程度で、英国や欧州の主要経済指標の発表はありません。

発言イベントとしては、東京午後に日銀「債券市場参加者会合」が開催されます。次回の日銀決定会合では債券購入の減額が発表される見込みで、その額がどの程度の減額になるかが注目されます。欧州では、パネッタ伊中銀総裁、チポローネECB理事の講演やイベント参加が予定されています。米国では、パウエル議長の証言のほかに、バーFRB副議長とボウマンFRB理事が金融包摂(ファイナンシャルインクルージョン)について講演を行う予定です。また、バイデン米大統領がスピーチを行い、米3年債入札(580億ドル)が実施されます。